株式投資で資産を大きく増やした人の話は、インターネットで検索すればいくらでも出てきます。売買テクニックや銘柄選びなどを調べるのは、稼げるような気になってとても楽しいものです。
しかし、そういったテクニックばかり注目され株式投資のリスクについてはあまり関心がもたれていません。
株式も元本保証されていない金融商品であるかぎり、リスクが伴います。リスクの種類とパターンを把握する事で、すこしでも無用なリスクを避けて資産を守る事が可能になります。
どのような投資手法だったとしても、必ず付いてくる株式投資の共通のリスクについてまとめてみます。
株式の代表的なリスクと対策
価格変動リスク
株は基本的には株価の上下によって利益を得る投資です。株価は株式市場が開いている間に上下します。この上下に伴うリスクを価格変動リスクといい、最も代表的なリスクになります。
売買差益により利益を得る投資をキャピタルゲイン投資といいます
一番シンプルなキャピタルゲイン投資の方法は、株式を購入し値上がりしたら売却する方法です。この場合、株価が上がれば利益が出て下がれば損失が出ます。
最近ではシャープや東芝などが、業績不安で株価を大きく下げました。大型株でインカムゲイン投資を行っていたとしても、株価が上下する限り価格変動リスクはついてきます。
資産を所有することで利子や配当を得る投資をインカムゲイン投資といいます
価格変動リスクには、株価が上昇した時にも損失を出す場合があります。(信用取引の売り)
信用取引の売りとは、株価を証券会社から借りて先に株式市場で売って、株価が下落してから株式市場から買い戻して証券会社に返却をするという取引です。この取引を行った場合、逆に株価が下がれば利益が出て、上がれば損失が出ます。
信用取引は売りも買いも手持ち資産以上の損失が出る事があります
私は、手数料を安くする為に信用取引で株を購入する事はありますが、それ以外では信用取引は行っていません。
価格変動リスクとポジションサイジング
ポジションサイジングとは,投資対象の企業にどのくらいお金を投入するか決めることです。資金をどれくらい投じるかによってリスク度合いが変わってきます。
投資金額が少額であれば、ポジションサイズを考慮する必要はほとんどありません。
しかし、初めての株式投資で資金300万円以上投入できる場合などは、1銘柄に資金を集中させるのか、それとも何種類かの銘柄に分散させるべきか、悩んでしまうかもしれません。
分散投資の場合は、もうひとつ時間の概念が加わってきます。買い方によって価格変動リスクの度合いが変わってきます。
銘柄・時間集中投資 → 利益・リスク大
銘柄・時間分散投資 → 利益・リスク小
ポジションサイジングの考え方
身の丈に応じた取引をする事、これだけだと思います。
自然と身につきますので心配はいりません。
価格変動リスクを避けるには
優良銘柄をスクーリングするのが一番の方法ですが、どんな銘柄でも一時的な株価の値下がりというのは避けられません。
思惑と違う動きになった場合や購入時の前提が変わった場合は、早めに損切りをおこない損失を拡大させないようにしましょう。
損切りできない理由を、考察していますのでご覧ください。
信用(倒産)リスク
日本で特に株が特殊で恐いものとして扱われる、代表的なリスクが信用(倒産)リスクです。
株の取引をしたことの無い人が、株式投資をやらない理由付けナンバーワンではないでしょうか。
倒産になる前の状態、上場廃止でも同じように株式の価値がなくなります。
企業は利益を上げるために最善の努力をしていると思いますが、利益が出せない状態(赤字)になって資金が尽きた時(債務超過状態)、会計を不正に操作するなど(粉飾決済)といったことで上場廃止になってしまうことがあります。上場廃止になることで、株式の売買ができなくなります。
結果的に株を保有していた場合、ゼロにはなりませんが二束三文の価値しかなくなります。
もちろん東証一部の銘柄を選んでいれば上場廃止が頻繁にあるものではありませんが、株式投資をする上ではこのようなリスクもあるという事です。
信用(倒産)リスクを避けるには
粉飾決済などの不祥事は防ぎようがありませんが、日頃から銘柄を見守っていれば変化が現れると思います。
監視できないほどの銘柄に分散させない。ボロ株のマネーゲームに参加しないなどである程度防ぐ事ができます。
流動性リスク
株式の売買のしやすさを流動性といい、株式が売りたい時、買いたい時に売買できなくなる事を流動性リスクといいます。
ある銘柄で業績が大きく悪化したという情報が流れたとします。そしてその銘柄に売りが殺到した場合(売買のバランスが崩れた場合)、売買が成立していなくても株価だけ下がっていくことがあります(売り気配、ストップ安)。この現象も流動性のリスクの一つです。
もうひとつは、企業の人気が無いため売買参加者が少ない場合です。株式の売買は売りたい人と買いたい人の値段が一致した時に売買が成立します。
市場参加者が少ない場合、思った値段で買えない売れないという事が考えられます。成り行きで取引すると思わぬ値段で取引が成立する事もあり注意が必要です。
流動性リスクを避けるには
株式取引において流動性はとても大切ですので、あまり人気が無い銘柄は明確な理由がないかぎり避けたほうが無難です。
まとめ
どのような手法でも遭遇する、株式投資の代表的なリスクをまとめてみました。
投資をする以上はリスクは避けて通れないものです。
しかし必要以上にリスクを恐れず、最低限の知識と対策でリスクを避ける可能性が高くなります。
ここまで読んでくださった皆様が、株式市場から退場することなく順調に資産形成できることをお祈りいたします。