私は父親が株の取引をしていたこともあり、幼少の頃から四季報を暇つぶしに読んでいるような家庭環境でした。もちろん四季報の数字を読み解いたりという事はしませんでしたが、辞書がわりに知っている会社を検索して遊んでいました。
最近はアベノミクスで株価が上昇している事もあり、株式投資に興味を持つ人が増えています。周りでも株は儲かるのかな?という話も良く聞きますが、話のネタだけで株式を購入する行動を起こす人はあまりいません。株価が下落することによって損をしてしまうリスクが、株式投資は恐いものとして間違った認識をもたれているのかも知れません。
インフレに強い株式投資は将来にわたっての資産形成に大きな影響を与えていきます。
賛否両論はあるでしょうが、私は株の基本を知っていて行動すれば将来の生活が豊かになると信じています。
株とは何か
株式とは企業が会社に必要なお金を集めるために発行するものです。投資家は株式を買うことによって会社のさまざまな権利を手に入れることができます。株式会社は、原則として投資家のものになります。
株式には株価という値段がついていて、市場で売買する事ができます。そして、株価は常に変動しています。
基本的に投資家は株価の変動を利用して儲けるために投資をおこないます。
株価の決まり方
株が翌日に上がるか下がるかは誰にもわかりません。
株価は需要と供給によって決まります。つまり買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ下がります。そして買いたい人と売りたい人のバランスが取れたところで、株価が決まります。
市場の参加者全員に「今日はどんな売買を行いますか?」と聞けば、上がるか下がるか分かるかもしれませんがそんな事は不可能です。
世界中の投資家はありとあらゆる情報を集め分析して相場の方向性を見つけようとしています。
それは、何百億を預かるファンドマネージャー、自動売買のロジック、何十万単位の個人投資家だったとしても分析のスケールが違うだけでやる事は一緒です。
少額個人投資家が情報量で機関投資家に勝つ事はできません、またスピードで自動売買のシステムに勝つ事はできません。
では個人投資家が機関投資家に勝てないかと言うと、勝たなくてもいいのです。
個人投資家の戦い方
見出しには戦い方と書きましたが、戦うよりも落ちているものを拾ってくる感覚で私は参加しています。
時間が有る
説明責任が無い
投資方法に制限が無い
時間が有るというのは、特に決算期があるわけでなく老後の生活費の足しにしたいというのであれば、定年の年数まで時間が有るということです。
説明責任も当然ありません、損をしても人に言う必要はないのです。逆に儲かったとしても人に自慢するのは止めておいたほうがよいでしょう。
最後の投資方法に制限が無いというのは、何をやっても良いということです。相場の方向性を見極める、自分だけのシステム(法則)を見つける事ができれば最高です。
理由は何でもいいです。極端な話、そんな匂いがした、胸騒ぎがした、でもよいのです。なるべくシンプルな法則が見つかれば売買しやすくなるでしょう。
そして、気が向かなければいつ休むのも自由です。
ただし、匂いや胸騒ぎ、と書きましたが、株式の値動きを生み出す仕組みを知らないままに取引をすると本当に勘で動く事になってしまいますので、株価の上下の仕組みを書いていきます。
株価の相関関係は有りますが、
最終的に人間が株価を決める事には注意が必要です。
市場全体でみる株価の方向性
市場全体の株価の方向性は、経済全体の流れをみることが必要です。
月曜日を除き日本の市場が始まる前は、アメリカの市場は閉まっています。(時間的には日本の市場が閉まってからアメリカが始まります。)アメリカの結果を見ることでその日の始まりを予測する事ができるでしょう。
日本の株価は、アメリカ市場に大きな影響を受けます。そのような株価を左右する要因はチェックしておく必要があります。
このように要因はたくさんありますが、市場全体をつかむために最も基本的な、金利、為替を紹介しておきます。
金利と株価
利息がいくらになるかを計算するときに金利が使われます。金利には基準となる金利が決められており、日本では公定歩合といいます。
一般的には金利が上がると株価は下がります。
金利が上がると、お金の借り手が少なく市場のお金が出回らなくなり企業の業績がさがっていく為、株価の下落要因になるという考え方です。
ただし、景気を過剰にさせないために金利を上げるという考え方よりも、現在の成熟した資本主義の元では金利を上げるほど景気が良いという考え方が一般的になりつつあります。
この考え方が主流になっていくと、
金利が上がると、株価も上がります。
為替と株価
為替とは現金を使わない決済のことです。
一般的に日本の円と、海外のお金(ドル、ユーロなど)の通貨のやり取り(外国為替)のことを指します。為替は金利や経済指標などを要因として変動します。
一般的に金利が上がると、通貨は上がります。
公定歩合が上がった場合は、円高になります。輸出企業の多い日本の株式市場は円安になると株価が上昇しやすく、円高になると株価が下落しやすくなります。
つまり金利が上がると、株価は下がります。
日本の企業は様々な国に進出しており、お金のやり取りも現地の通貨を使っています。通貨の交換比率というのは企業の業績に直結しますので、為替は金利よりも株価の変動に強く作用します。
個別企業でみる株価の方向性
株式の購入には企業を個別にみることが重要です。
上方修正を繰り返している会社。
増配を繰り返している会社。
業績悪化で減配を決めた会社。
どのような会社の株式を購入したいと思うでしょうか?
全体が上昇傾向のときは、どの企業でもそこそこ上昇していきます。問題は全体が下落に転じた時です。
市場全体が不況だったとしても、人気のある企業は株価が上昇します。アクシデントで暴落した時も下落が抑えられるか、すばやく回復するはずです。
したがって株式投資は、長期投資になるほど企業をリサーチすることが重要になります。
業績と株価
全体相場の動向よりも個別の企業の業績が株価に直結します。
下落相場でも、企業の本業が順調であるかぎり投資家が買いを入れるため逆行高になる場合もあります。
逆もあります。本業がうまくいかないなら上昇相場でも企業の株価は下がります。
黒字続きで安定している企業が理想ですが、赤字から黒字に転換するときに株価が大きく上昇しますので、復活しそうな赤字企業をピックアップするのも良いでしょう。
アクシデントと株価
信じられないかもしれませんが、業績の発表をまともにしてくれない企業がたまにあります。
もちろん株価は大幅に下落します。
粉飾決済をする会社はどんどん悪材料が出てくる可能性がありますので、基本的には早めに手放すことをオススメします。
その他の方向性
株価チャートと株価
株価チャートを研究して、売買する人が一定数います。
たとえばゴールデンクロスで買い、デットクロスで売りなどです。チャートで売買する人がいる為に株価の変動要因になります。
アノマリーと株価
アノマリーとは根拠はないけど、同じ時期になぜか株価が動く傾向のことをいいます。
アノマリーもチャートと同じで、それを信じて売買する人がいるので株価の変動要因になります。
まとめ
株価が動く要因の基本の部分を簡単に紹介していきました。いろいろな要因、いろいろな考えを持った人が参加しているため誰も完璧な予測などできないことを理解していただけたでしょうか。
個人投資家は、相場の動きを完璧に把握して法則を発見する必要はありません。そういう研究は学者や評論家にまかせて、自分の好きな分析で少しだけ市場からおすそわけをもらえばよいと思っています。
毎日市場を眺める事で、匂いや胸騒ぎが感じられるようになったらそれで充分だと思います。難しい計算式を持ち出す必要はありません。
株式投資で利益を出すためには自分の得意な分析を見つけて、退場しない程度にチャレンジして投資の感覚を身に付けましょう。