デブがロードバイクに乗るときにヤワなホイールを使っていると、ホイールの変形によってパワーをロスしてしまいます。
そのために肥満体の質量を支えることのできる、リムのハイトが高いホイールを使用することにしています。
リムのハイトが高いとホイールの剛性があがるために、ペダルを回したときにパワーのロスが無くよく進むからです。
しかし、カーボンリム特有の繊細さがあり、とくにブレーキング時の熱の問題は深刻で肥満体の質量を停止させるために、通常のブレーキングよりも高熱になります。
結論をいいますと、無理をしないで、少し気を使って、カーボンホイールで快適なサイクリングをすることが可能です。
カーボンホイール(リムブレーキ)のメリットをサラッと、デメリットを丁寧に書いていきたいと思います。
デブがカーボンリムにすることのメリット
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のリムは軽量で自由に成形することができ理想のホイールを作ることができます。
CFRP(炭素繊維強化プラスチック) = カーボン
エアロ効果を考えたリム形状にすることで、抵抗を少なくすることができます。アルミリムとカーボンのハイブリッドですと同じものは作れないかもしくは重たくなります。
ホイールの外周部にあたるリムを軽くすることは、自転車の運動性能を上げることに絶大な効果があります。
そして、デブの体重を支える剛性とリムの軽量化を両立させるとができるのは、フルカーボンのホイールということになります。
デブがカーボンリムにすることのデメリット
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のデメリットは、デブのロードバイク乗りだけに関係することではありません。普通の体重でも気をつけないといけないことです。
ただ、デブがカーボンリムを使うときは、特に注意しないといけないということです。
カーボンリムの最大の欠点は、カーボンの熱伝導率の低さからくる放熱の悪さです。この点は熱伝導率の高いアルミに比べて明らかに劣る部分です。
カーボンリムの耐熱性は初期のころに比べて向上しています。しかしカーボンの性能がよくなった現在でも、長い下りでカーボンリムを破損させてしまう人がいます。
下りでブレーキをかけ続けることで、摩擦熱によって制動面(すなわちカーボン面)が高温になります。
そして、カーボンの耐熱温度以上になったときリムが変形してしまいます。
クリンチャーの場合はチューブが温度に耐えられずに、
バーストするのでさらに危険です
私は最悪の事態は避けたいのでチューブラーにしています
峠の下りでタイヤがバーストすると(とくに荷重のかかる前タイヤ)、痛いだけでは済まない可能性があります。
しかしロードバイクが一般に浸透し、カーボンホイールも当たり前のように使われています。
私もそうですが、カーボンホイールは決戦用ホイールではなく普段使いのホイールとなっているのです。
ということは、いろいろなユーザーがいるわけで、下りで気にせずブレーキをかけ続けてカーボンリムを破損させる事例が多発するわけです。
デブが覚えるべきカーボンリムのブレーキング
自転車を長く乗り続けていると、自然にカーボンリムの扱い方は覚えてきます。
ブレーキを引きずらないようにするために直線で減速しておく、ブレーキを前後交互にかけて制動面の放熱を促進するなどです。
要はブレーキをかけたときの摩擦熱をいかに抑えていくかということにつきます。
軽量ホイールで有名な、Zipp社のコメントです。
「社内の実験で、136kgの大人が20%の下り坂を5~6分ブレーキをかけ続けて下った場合にリムの表面温度は700℃に達することが確認されている。」
これは、かなり衝撃的なコメントです。私は真っ裸で体重計に乗ると100㎏ありますので、ロードバイクの重量、輪行など旅行中の荷物をプラスすると限りなく300ポンド(136㎏)に近づくからです。
20%の下り坂はほとんど崖にみえる斜度ですので、こんな斜度を5分も下ることはないでしょう。
さらに続きます。
「ブレーキを数秒離すと、リム表面温度が100℃近く冷却される。ブレーキを軽く当てているだけのブレーキングをするとリム表面は放熱されることなく熱がたまり続けていく。」
ココ重要です。タイヤが熱によって溶け始めるのが300℃といわれています。カーボンリムのブレーキングはガツンと効かせてスピードを落として、ダラダラブレーキをかけないようにしましょう。
肥満体型の方はとくにスピードに乗る前にブレーキを済ませておくことが、最重要項目になります。スピードに乗ると止まらなくなります。
リムブレーキは、回転しているホイールのリムにブレーキパッドを押し付けて回転を止めます。
そのときに発生するブレーキングの摩擦熱が最大の問題になります。カーボンは熱伝導率が低いため熱がこもりやすく、放熱効果が高いアルミよりも摩擦熱を貯めてしまいます。
そのため、軽く引きずってスピードをコントロールするような下りを続けていると、カーボンホイールが耐熱温度を超えると破損してしまいます。
ブレーキシューが溶解してしまい、それ以降使い物にならなくなることもあります。
長い下りでは、減速できるときに大きくブレーキをかけておき、スキを見つけてはブレーキから手を放し放熱を促進しましょう。
私は、コルク製のブレーキシューを使用しています
横浜から芦ノ湖にサイクリングに行った時の写真です。
箱根の峠越えを、なぜ車重が重く不利なMTBで行ったのか。
カーボンリムで箱根の下りを降りきる自信がなかったからです。
あらかじめルートの高低差がわかって下りが厳しいとき、長い下りがあるコースで雨のときなどはカーボンホイールをあきらめる勇気も必要です。
余談ですが、リムブレーキはディスクブレーキに100%劣っているとは考えていません。デメリットもあると考えています。
まとめ
カーボンホイールとブレーキングの数値的な部分については、以下のサイトを参考にしました。
軽く翻訳してみると、「ダラダラブレーキをかけなければ、大丈夫だよ。ハッハッハ。」という感じですが、それはあくまで標準体重の方の話です。
100㎏以上の肥満体の方は、「そのあり得ない使い方を、超えてしまうかもしれない」ことを注意しながらカーボンホイールを使用しましょう。