輪行がスムーズにできると、サイクリングの強い味方になります。
輪行とは、電車や飛行機に自転車を積んで移動することですが、この記事では電車で輪行するときに問題になる、前輪のみ外す輪行袋について考えてみたいと思います。
前後輪外すタイプのレビューはこちら→サンワダイレクト 輪行袋 800-BYBAG002 ギリギリ入れることができるフレームサイズとサドル高とは
輪行について
なぜ電車に乗るときに、輪行袋が必要になるのかといいますと、日本では、電車に自転車を載せるときは自転車を分解して専用の袋に入れないといけないと決まっているからです。
外国では自転車のまま載せることができる国もありますが、チェーンの油などで他の乗客に迷惑をかけてしまうことを考えれば日本の混雑を考えると仕方のないことかもしれません。
元々は、競輪選手しか電車に自転車を持ち込むことができませんでした。
しかし、一般のサイクリストにも輪行で自転車旅をして欲しいとの思いから、先人たちの働きかけによって誰でも自転車を無料で持ち込むことができるようになりました。
ここまでは、とても良い話なのですが、不特定多数の人が増えてくると、自転車を分解するという行為ができない人もいます。
ロードバイクやクロスバイクになれていない初心者は、後輪を外すのが怖いという方もいらっしゃいます。
そこで、前輪だけ外して収納できる輪行袋が販売されるようになりました。
前輪だけ外すタイプの輪行袋
前輪だけ外すタイプの輪行袋は、コクーンや超速FIVEなどが有名です。
私は、このタイプの輪行袋はモンベルを使っています→コンパクトリンコウバッククイックキャリーLとM!簡単に使えるモンベルの輪行袋とは
しかし、前輪しか外さない輪行袋の中では、OSTRICH(オーストリッチ) の輪行袋を使っている方が多い印象です。
どのメーカーにしろ、このタイプの輪行袋はサドルを乗車ポジションのままで輪行袋に収納することはできません。
JRの条件に突起物はすべて袋でおおわれていること、という項目がありますのでこのままでは電車の輪行は難しそうです。
また、サドル部分を覆う袋が輪行袋そのものでないといけないのか、他の袋をかぶせたので良いのかということは、JR四国を除いて明確に表示されていません。
JR四国は一枚の袋でないとダメです
私の知り合いは前輪のみを外すタイプの輪行袋で輪行する際、サドル部分に他の袋(シューズケースのような布製の袋)をかぶせて駅員さんに許可を得てから輪行をしていました。
メーカーの方も、最近輪行袋のマナーについて話題になることが多いのか、新しい商品を出してきました。
サドル部分が伸縮性のある生地でできています。
輪行袋を取り巻く環境
前輪だけ外すタイプの輪行袋ですが、何かと物議を醸しています。それは前後輪外す輪行袋に比べて収納サイズが大きくなるからです。
物議を醸しているのは、なぜか鉄道会社の職員でもなく、一般の乗客でもなく、ベテラン自転車乗りの方々です。
自転車乗り全体のイメージが悪くなるからという理由で、JRの規定オーバー(の可能性あり)の前輪だけ外すタイプの輪行袋を目の敵にするわけです。
ベテランの方に言わせれば、先人たちの努力のおかげで、輪行という手段を切り開いてきたのに、一部の素人の行為で無駄になるという理屈のようです。
一般の乗客から見ると、分解するのが前輪のみだろうが、前後輪だろうが自転車を持ち込む行為が邪魔なことには変わりありません。
サイクリングをする元気があるのに、自転車を離れたところに放置して、座席を占領する輩のほうがよっぽどマナーが悪いと思われています。
第308条
旅客は、第309条に規定する以外の携帯できる物品であって、列車の状況により、運輸上支障を生ずるおそれがないと認められるときに限り、3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量が30キログラム以内のものを無料で車内に2個まで持ち込むことができる。ただし、長さ2メートルを超える物品は車内に持ち込むことができない。
参考→JR東日本旅客営業規則
前輪のみを外すタイプの輪行袋に苦言を呈されているベテランさんがマナーの悪い初心者として根拠にされているのが、「3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもの」という項目です。
規則から言えば249センチならセーフで251センチならアウトなのでしょう。
しかし、私はそこまでして、初心者サイクリストをはじめ慣れた人でも使用者の多い、前輪のみを外すタイプの輪行袋に目くじらを立てる必要があるのかなぁと思います。
それよりも、サイクリストの間口を広げて同じ趣味を持つ人たちが増えてほしいと思っています。
そのためにも、「後輪ぐらい外せるだろ」「それは間違った方法をやっているからだ」「買った店が教えてくれる」などと傲慢な態度は取りたくありませんし、そういう発言を見ると悲しくなります。
ベテランさんが意図的にスルーしているのか、知らないのかはわかりませんが、自転車を電車に2個まで持ち込むことができます。↑これは上記規則参照してください。
ルールで認められているからといって、輪行袋に詰めた自転車を2台分持ち込む人はいないと思います。
それは単純に他人に迷惑がかかるからです。
前輪のみを外すタイプの輪行袋を目の敵にする人は、自転車で60km/h以上出したことのない人なのでしょうか?街中の生活道路で30km/hの制限速度を確実に守っている人なのでしょうか?
当然、250センチを超える輪行袋を、オススメすることをこの場で発言することはできません。
輪行するときは朝夕の混雑時を避け、迷惑にならないように電車を利用してサイクリングを楽しんでほしいと思っています→【サイクリング】考えているときが楽しい初心者向けの失敗しない計画の立て方
輪行の注意点
ルールを破ってはいけないですし、JRの規則は守らなければなりません。
輪行袋にパッキングしたら改札で駅員さんに「こんな感じでいいですか?」と一言聞きましょう。
もしそれがルール内であったとしても、駅員さんがダメだと言ったらきちんと謝って指示を仰ぎましょう。
列車の安全を管理している鉄道会社の言葉がすべてです。
どのタイプの輪行袋だったとしても、一般の乗客からすれば自転車は大変邪魔なものです。
乗車したら手の届く範囲で管理して放置しないようにしましょう。
輪行袋のそばに立って自転車を管理し、他の乗客に接触しないような思いやりが必要です。
フロントフォークの先端、スプロケット、チェーンなど鋭利な部品や潤滑油で他人に迷惑をかけてしまう要素はたくさんあります。
生活路線では自転車の存在は邪魔でしかなく、新幹線や在来線特急またはローカル線などが、輪行旅の本領発揮なのかなぁと感じます。
混み合う路線、時間帯は避けるようなサイクリングプランを計画しましょう。
前輪だけ外して収納する輪行袋のまとめ
前輪だけ外すタイプの輪行袋の風当たりが強いなぁ。という思いから輪行のことを考えてみました。
かなり古いベテランサイクリストが、輪行の歴史を語り、最近になって後輪を外すことを覚えた脱初心者サイクリストが、初心者サイクリストに対して目くじらを立てているイメージです。
とはいえ、出来るだけコンパクトにすることが理想です。
ショップ開催の輪行講座もありますので、初心者のうちから積極的に参加をして輪行スキルを磨いていきましょう。
もっと輪行という手段が一般的にひろがって欲しいですし、遠方へのサイクリングの楽しさを知ってほしいと思っています。