回りだすと永遠に止まらないホイールがあれば、肥満体型でもロングライドを楽しむことができます。永遠なんて、すこし恥ずかしい言葉ですが、そうとしか表せないホイールがGOKISOです。
永遠に回り続け、肥満の質量にも負けない剛性、自転車のパーツとは思えない価格、すべてにおいて別格のホイール。どうして、ただの肥満自転車乗りがそんな機材を手にしてしまったのか・・・
GOKISO(ゴキソ・御器所)
株式会社近藤機械製作所
GOKISO(ゴキソ)は、精密工作機械メーカーの株式会社近藤機械製作所が開発したハブです。近藤機械製作所は、超精密金属切削加工、航空機ジェットエンジン用軸受の生産をおこなう会社です。
GOKISOハブ開封レビュー
GOKISOハブでいちばんベーシックな700Cロード用です。 リアハブの重量が実測で448gあります。リアハブは200g前後のものが標準的な重さなので、リアハブとしては重量級です。
フロントハブも、標準的なハブの2倍の重さがあります。 軽さを求めるロードバイク用のパーツの中で、ハブの中で世界最重量ではないかと思われます。 こちらは、クライマーハブ S-specのリアハブです。700Cロード用に比べて少し軽量になっていますが、それでもカタログ値で約400gあります。 精密機械のメーカーだけに削りだしの美しさは、素晴らしいものがあります。
反フリー側です。フレームに取り付けると見えなくなってしまうのが残念です。
フリー側です。シマノとカンパは専用の工具で交換が可能です。
付属品のクイックです。しっかりとホイールをフレームに取り付けることができて好感が持てます。極端に軽いクイックはきちんと取り付けできていないことがあります。
GOKISOハブを購入したときについてくる保証書です。10年の保障期間があります。
スーパークライマーハブは29年です
GOKISOハブとGOKISOホイール
GOKISOハブ単体で購入すると、とても高価に感じます。700Cロード用で219,000円(税別)スーパークライマーにいたっては659.000円(税別)と消費税込みですと70万オーバーになってしまいます。
GOKISOホイール 50mm チューブラーは700Cロハブを使用した完組みホイールです。フルカーボンチューブラーホイールが、335,000円(税別)と、有名メーカーのフラッグシップモデルと同等の値段で販売されています。
異論があるかもしれませんが、メーカー製ということで完組みホイールと表現しています
GOKISOハブの異次元の回転性能を試すのには、うってつけの完組みホイールになっています。
GOKISOハブ レビュー
実際に走ってみた感想です。いつもは、ロングライドイベントや、サーキット走行で楽しんでいます。
日頃のまったりサイクリングには、トレーニングにならないような気がして普通のハブを使用しています。
GOKISOハブ 鈴鹿サーキット走行インプレ
鈴鹿サーキットにGOKISOを持ち込んでみました。肥満体型で、トップ集団に入れるはずもなく、マイペースで楽しみました。
自転車で鈴鹿サーキットを走るときは逆走になりますので、矢印とは反対に進んでいきます。
シケイン
⑰⑯は上り勾配になっています。観客席の近くを通りますので、あまりヘタれているとかっこ悪いです。GOKISOのおかげで肥満体でダンシングしても、パワーロスがないため踏んだだけ登っていく感じです。
衝撃吸収弾性体サスペンションが効いていることがわかります。
ヨーロッパのロードレースなどで見られる「石畳」の走行シーン。そんな凹凸の激しい路面を走行する、または強い脚力による高トルクなど、強い外部応力を受けた時に従来のハブ構造ではハブボディが歪み、ベアリングに過剰な負荷が掛かることで回転軸が複雑にたわみ、軸受にねじれが生じます。
このとき軸受内部では、歪みによる回転抵抗が発生、ブレーキがかかった状態となり、ペダルを踏む余分な力が必要となります。
GOKISOハブは軸受のまわりに弾性体サスペンション構造を設け、さらにハブボディと軸受けを0.5mmのすき間を開けて構造的に浮かせることで衝撃荷重を吸収、0.5mmのすき間によりハブボディの歪みも直接軸受には届かず、軸受の回転に影響を与えない仕組みになっています。
KONDO MACHINE CORPORATION HPより
肥満体の質量は、ヤワなハブを歪ませてしまっています。GOKISOハブですとペダルの力をロスなく推進力に変えています。
西ストレート
⑭⑬は緩やかな下りになっています。参加者が道幅いっぱいに拡がっている危険なところでもあります。
GOKISOハブを使用していますと、ほとんど漕がなくても他の参加者の後ろについていくことができます。せっかくサーキットを走っているので、ロングライドのようなコバンザメ走行はもったいないです。少しペダルを踏むだけで気持ちのよい加速で楽しく走れました。
スプーン
⑬⑫は少し上り勾配です。肥満体型で上りは厳しいのですが、西ストレートの惰性で走ります。回転が止まらないGOKISOならではの省エネ走行ができます。
ヘアピンからデグナー
⑪⑨のストレートが一番鈴鹿サーキットの楽しいところです。肥満サイクリストでも時速60km程度のスピードで走行することになります。
ダンロップカーブからS字カーブ
ダンロップカーブまでは少し上りますが、後は下りです。どんどん加速していく中でS字カーブをクリアしていくので、緊張感があります。
走行ラインを守らないと追突されて危険です
GOKISOハブ サーキット走行
サーキット走行は、マドン7を使用して走りました。
サーキットなど、路面状態がよい場所でGOKISOハブは非常に相性が良いです。上り勾配にさしかかるまで、スピードが落ちることがありません。
集団内では他の選手との衝突を避けるため、ブレーキを多用したり、上体を起こしてわざと空気抵抗を増やすなどして、速度を落とす必要がありました。
肥満体型でも、緩やかな下りなどでGOKISOハブを使っていれば、かなり速いペースで周回することができます。
体力が持たないので、あくまでも数周の話です
GOKISOハブ ロングライドインプレ
ロングライドイベントは、いかに体力を温存するかが重要になってきます。
レースではありません、あくまでもファンライドを楽しみましょう。
こちらにも書いていますが、GOKISOの場合は集団に入ってしまえばほとんど漕ぐ必要はありません。それよりも、前方の参加者に追突しないようにうまくスピードコントロールする必要があります。
実際に走ってみるとわかるのですが、漕ぎだしが少し重たいように感じます。それはエンヴィのリムがフロント60mm(およそ800g)、リア70mm(およそ1200g)と普通なら敬遠されてしまうようなハイト高を選択しているせいもあります。
しかし、いったん走り始めてしまうと、ものすごく軽いホイールに変化します。足を止めてもスピードが落ちないためロードバイクがまったく別の乗り物のように感じます。
時速20~30kmで走行中は、漕いでいなくても背中を押されているかのような感覚を受けるでしょう。
GOKISOハブ フランジ幅の件
マニアックな方の中には、GOKISOハブのフランジ幅が狭いことによる横剛性の低下を気にされる方もいるのではないでしょうか?
100kg超の装備重量でGOKISOハブを使用した結果、横剛性が低いと感じることはありませんでした。
それよりも、衝撃吸収弾性体サスペンションによって、肥満体の質量を受け止めて回転性能の低下が抑えられているメリットの方が大きく感じます。
太っている、脚力があるなどで、知らない間にハブをゆがませている可能性がある方は特にGOKISOをオススメします。
GOKISOハブを何個も買っているユーザーの個人的感想です
まとめ
GOKISOハブを購入している方何人かにお話を伺っても、失敗したと話される方に出会ったことはありません。
経済事情が許す方は、ぜひ試してみることをオススメします。