海外サイクリングイベントや、海外生活で自分のロードバイクを持っていきたい。
しかし、海外の航空会社や空港では荷物の取り扱いに不安があるので飛行機輪行は避けたい。
そんな時は自分で納得するまで完璧に梱包して、荷物として輸送するのが比較的安全です。
ロードバイクやクロスバイクなどの自転車を、海外に輸送するときに一番かんたんに送れる発送方法は何が良いでしょうか?
EMSと国際小包の発送の参考になれば幸いです。
自転車海外輸送 EMSと国際小包の違い
日本から外国へ荷物を送るときに、取扱い窓口が多く輸送費も比較的安いために、日本郵便のEMSまたは国際小包を選択される方が多いようです。
ここでは、日本郵便の取り扱っている発送方法に絞って荷物を発送するまでの注意点を解説をしていきます。
国際小包とは
国際小包の特長は、 航空便、船便、エコノミー航空(SAL)便という3種類の発送手段があります。
エコノミー航空(SAL)便とは、外国につくまでは航空便で外国国内に入ると陸上輸送になる発送方法です。比較的国土が大きな国に設定されており、国内線が無いような小さな国では設定されていません。
発送方法の違いは、おおむね下記の表のようになります。
航空便 | SAL便 | 船便 | |
送料 | 高い | 中間 | 安い |
時間 | 一週間程度 | 一~二週間程度 | 三週間~数か月 |
国際小包の最大の欠点は、国によっては梱包の最大サイズが小さすぎてロードバイクを送ることができないということです。(アメリカ、オーストラリアなど)
EMSとは
EMSは国際スピード郵便(Express Mail Service)の略で、国際小包航空便よりもさらに早いスピードで配達が完了するサービスです。
国際小包航空便よりもさらに早く到着し、おおむね三日~一週間以内の配達になります。
今回はロードバイクの発送ということで解説していますので関係ありませんが、国際小包航空便よりも、およそ1000gまでの荷物ならば早く安価に発送をすることができます。
残念ながら15kgの梱包重量ですとEMSの方が割高になります。
EMSは国際小包に比べて取り扱いの国が少ないです。(およそ120ヵ国)主要な国は含まれていますので、それほど困ることはないと思います。
忘れがちですが、配送先の国にEMSで送れるのか確認をしてから準備するようにしましょう。取り扱いが無ければどうすることもできません。
ロードバイクを発送するのは、EMSか国際小包か
EMSも国際小包も送料の計算は、重さのみで決まります。
ロードバイクを梱包したときの重量を15kgとして、大まかな価格差は金額は、EMSから国際小包航空便は三割引きくらいです。(正確な金額は確認してください)
国際小包航空便から、国際小包エコノミー航空(SAL)便は三割引き。
国際小包エコノミー航空(SAL)便から、国際小包船便は三割引き。
ざっくりとした計算ですがこのようになります。
アジア(第一地帯)に15㎏の荷物を送ったとき、EMSで約15,000円、国際小包船便で約5,000円です。(正確な金額は確認してください)
実際に送ったことを想像してみてください、船便は確かに安いのですが、長いときは一ヶ月かかります。この間に荷物のことが心配にならないでしょうか?
大切なロードバイクのことが気になるのなら、少し高くてもEMSや国際小包航空便などすぐに到着する発送方法をオススメしておきます。
自転車海外発送 発送できる最大サイズとは
EMSと国際小包のサイズは少し特殊な測り方をします。

基本的な最大サイズは、
① A(最長辺)1.5mまで
② A(最長辺)+ 胴回り(B+C+B+C)=3mまで
このふたつを両方満たす必要があります。三辺の和ではなく胴回りというところに注意が必要です。
アメリカなどの一部の国では、
EMS
① A(最長辺)1.5mまで
② A(最長辺)+ 胴回り(B+C+B+C)=2.75mまで
国際小包
① A(最長辺)1.05mまで
② A(最長辺)+ 胴回り(B+C+B+C)=2mまで
となっています。国際小包のサイズではロードバイクを送ることができません。
(国名 EMS)で検索すると、こまかい条件表を見ることができます
自転車海外発送 梱包資材
シーコンのエアロコンフォートプラスは、すこし高価ですが最強の輪行バックです。
このような人気の輪行バックやハードケースは、飛行機輪行を想定して作られているためEMSや国際小包のサイズ(最長辺+胴回りが3m)をオーバーしてしまいます。
幅1060×高さ740×奥行230mmのサイズでピッタリ3mと、海外発送をするためにつくられたような箱も売られていますが、いかんせん値段が高いです。
自転車屋さんに行って、ロードバイクの完成車が入れてあるダンボールを無料でもらってきましょう。
こういった箱ですが、幅1310×高さ740×奥行230mmぐらいのサイズが一般的で、3mサイズを超えてしまいます。
これのなかにご自身のロードバイクを入れ、ザクザク箱を切ってオリジナルの輸送ケースを作ってしまいましょう。
230mmの奥行では、ハンドルを外さないと入りません。
シートポストも外した方が緩衝材を巻き付けやすいこと、サイズをかせげるため、カーボン製で触りたくないとき以外は外した方が良いでしょう。
傷をつけないために、箱の中でフレームが動かないように固定しておくことが重要です。
自転車海外発送 必要書類と記入方法
発送するときに、いろいろな書類を書かないといけないというイメージがある海外発送ですが、基本的には住所と品名を書けば大丈夫です。
注意すべき点は、送り先の言語、英語、フランス語のどれかで書かないといけないことです。
送り状
送り状がきちんと書かれていないと、配達ができない可能性があります。
めんどくさがらず確実に記入しておきましょう。筆記体は避けた方が無難です。
品名欄が書くところが多く難解に見えますが、ひとつひとつ見ていけば大丈夫です。
品名欄に品名、数量、重さ、価格(自由申告、日本円)を記入していきます。価格の合計が20万円を超えるとメンドクサイことになります。
ロードバイクの価格は20万円を超えることが予想されますので、保険をキッチリ掛けたいときは正直に申告する必要があります。(詳しくは通関委任状のところで説明します)
危険物ではないですというチェックを入れて、署名をすれば完成です。
インボイス
インボイスはいらない国もありますが、EMSの場合は、多くの国でいるものと考えておきましょう。

記入内容も送り状の内容をもう一度書くだけなので難しくはありません。こちらも署名は忘れないようにしておきましょう。
インボイスフォーマットで検索すればダウンロードできますので、前もって記入しておきましょう。
税関告知書
送り状の中に複写式で組み込まれていますので、送り状の金額をきちんと記入しておけば、わざわざ別に作成する必要はありません。
通関委任状
品名の合計金額が20万円をこえたときに、輸出品とみなされ通関手続きを行わなければなりません。
輸出を生業としている方ならば当たり前のような話ですが、単純に荷物を送りたいだけの方は煩わしい作業は避けたいところです。
荷物に複数個に分けてもすべての送り状の合計金額で判断します、
複数口になったときはさらに注意が必要です
その通関手続きを郵便局に代行してもらうために、通関委任状が必要になります。
自分で通関手続きをすれば無料ですが、委任状を郵便局に提出して通関手続きを代行してもらうと、通関代行手数料として2,800円かかります。
送料は切手でも払えますが、通関手数料は現金のみです
(後納払いも可能です)
品名の金額は自己申告ですので、20万円以下にしておけば輸出申告の対象にはなりません。
20万円以上のロードバイクを、20万円以下の金額で自己申告することのデメリットは、追加の保険を掛けようとしたときに、申告した金額までしか保険が掛けられないということです。
EMSの基本保証は、2万円です。国際小包は重さによって違いますが15kgの荷物は19.190円の基本保証です。
追加の保険は2万円追加するごとに50円です。
EMSの場合は最高で200万円まで保険を掛けることができます。(国によっても保険の最高額は違います)
保険や保証を踏まえて、内容品の金額を決めるようにしましょう。
自転車海外発送 内容品の指摘を受けるケース
Di2などのバッテリー

変速用のリチウムイオンバッテリーと、パワーメーターのリチウムイオンバッテリーのふたつまでは、リチウム組電池として同時に発送することができます。
機器に組み込んだリチウムイオンバッテリーが3つ以上になると送ることはできません。
CO2ボンベ
高圧ガス、ガスシリンダーは発送不可ですので入れないようにしましょう。
ホイールとタイヤ
飛行機の気圧が下がることによって、タイヤが破裂すると言われるケースがあるようです。
飛行機の気圧低下ぐらいで自転車のタイヤが破裂することはありませんが、受付の方がそういわれた場合に備えてタイヤの空気を抜いておきましょう。
実際に飛行機輪行のときにタイヤの空気圧を下げて、飛行機に乗せて運んだことはありませんし。ANAのカウンターでタイヤの空気を抜かなくてもいいことは確認済みです。
→【TREK Maodne9】カーボンロードでも大丈夫?フレームを破損させない飛行機輪行の注意点とは
まとめ
記事を書いていくことで気づいたのですが、国によって条件がすべて違います。すべてのケースについて書いていくとごちゃごちゃしてきますので一般的なことのみ解説していきました。
送り先国名 EMSで検索して日本郵便の国際郵便条件表を見てみましょう。
そして、この記事と見比べてもらえれば準備するべき書類や、最大サイズが理解していただけると思います。
海外でも素敵なサイクリンができるように、愛車とともに思い出が作れることをお祈りいたします。