肥満体型のロングライドのコツをまとめた実走編になります。謙遜のデブではなくて本物のデブの方に役立てていただけたらと思います。
デブのロングライドイベント スタート前の準備
カーボローディング
カーボローディングは、炭水化物を運動の前々日から多めに摂り、肝臓にエネルギーを貯めておく作業です。
ガチなアスリートならば計算して行うのですが、趣味でロードバイクに乗る程度ならばそこまでこだわらくても大丈夫です。
それに、特に意識しなくも炭水化物は補給できているのではないでしょうか(笑)気持ちおにぎり多めで良いと思います。
カロリー補給に失敗すると、ハンガーノックといわれる飢餓状態になります。まったく力が入らなくなりますので注意しましょう→【ロードバイクは腹が減る】重量級サイクリストとカロリー補給の関係(初心者向け)
サイコン
勾配が表示できるものは表示させましょう。登り下りを視覚化することで無理なペダリングを防止することができます。
タイヤの空気圧
体重100kgならば23Cのチューブラーでフロント9BARリア10BARぐらいだと思います。25Cのチューブラーはフロント8.5BARに落としています。
タイヤのサイドとリムがスレないクリンチャーはフロント8BARリア9BARくらいで大丈夫でしょう。
タイヤの空気圧は好みがあるので、普段から気持ち良い空気圧を探しておくと良いでしょう。
ブレーキ
肥満体のブレーキ選びは重要です。標準体型に比べて止まるために尋常ではない摩擦熱を発生させることになるでしょう。そのため私はカーボンリムにはリムに対する攻撃性の低いコルクシューを使っています。
高速で移動する肥満体の大きな質量を素早く減速停止させることは、貧弱なリムブレーキでは不可能です。ブレーキはスピードをコントロールするものと割りきり、下りで無理な突っ込みは控えましょう。
下りで無理なスピードを出さないこと
肥満体の質量を停止させることは絶対できません
ディスクブレーキならば強大なストッピングパワーで降りもどんどん突っ込んで行けるでしょう。しかし難点もあります。リムブレーキと違ってディスクブレーキはスポークに負担がかかってしまいます。
MTBならばヒラヒラとダウンヒルを楽しむこともできるでしょうが、ロードバイクのスポークが肥満体の質量に耐えれるかどうかは試していないので不明です。
デブのロングライドイベント スタートしてから
安全第一で楽しむ事が重要です。伴走スタッフなどやらせて頂いた事もありますが、怪我をされた方を見ると非常に残念で悲しい気持ちになります。無理をしない走りを心がけ、景色やエイドの食べ物を楽しみましょう。
ロングライド中の基本的な作戦
いよいよスタートですが、適度なスピードで走っていると後ろに人がどんどん集まってくるでしょう。肥満体は風よけにされる運命なのです。しかしこれはちょうど良い列車を渡り歩いていくタダ乗り作戦には欠かせない仲間となります。
万が一にも周りに程よいペースの集団が見つからなければ脚を削らない範囲で先頭を引きましょう。良いペースの集団が見つからないとキツい道のりとなります。後述しますが、平地では淡々と距離を稼いでおきましょう。
乗車姿勢とリラックスダンシング
基本的にがむしゃらに漕ぐ必要はありません。無理な体勢を取ると肩や腰に疲労が溜まる可能性があります。
先頭に立たざるを得ない時かつ、向かい風がひどい時以外は下ハンを持つことはありません。下ハンの体勢では太腿とお腹の脂肪が接触してしまうため極めて短い間の乗車姿勢となります。
そもそも集団に入ってしまえば肥満体の大質量によって前走者に追いついてしまいブレーキを多用してしまう事になります。そしてブレーキでスピードコントロールしようとするとスピードが落すぎてしまうので、できれば上体をおこして空気抵抗とペタリングで集団内のスピードコントロールができるようになればベストです。
距離が進むといずれ疲れてきます。同じ体勢で体に痛みが出てきたり、体勢に無理がきていると感じたらダンシングを行ってください。ダンシングといっても、もがきを入れるのではありません。グンッ、チャリチャリチャリ・・・・・グンッ、チャリチャリチャリ・・・・・踏み込んで惰性・・・の繰り返しで進みます。
フロント52Tリア11Tのギアを平地で行えば22~23km/hで進めるはずです。ダンシング時には車体を左右に振りペダルに体重をかけましょう。間違っても肥満体を左右に振ってはいけません。あっという間に息が上がってしまうでしょう。
・登り
少しでもキツいと感じたら軽いギヤを使っていきましょう。7%以上の勾配になると6~7km/hあたりまでスピードが落ちるかもしれません。どんどん抜かされていくでしょうが気にせず脚に負担の掛からないようマイペースで登っていきましょう。リラックスダンシングを入れるのも手です。
・下り
せっかく頑張って登ってきたのですから下りはご褒美で楽しみたいところですが、急勾配の峠道は質量の大きさがそれを許してくれません。安全な範囲でのスピードコントロールを心がけましょう。ブレーキの放熱も問題になってきます。ダラダラとブレーキをひきずることは避けて、ガツンとブレーキをかけスピードをコントロールしてください。
もし下りが直線区間だったらチャンスです。それまで溜めた位置エネルギーを思う存分放出しましょう。
・平地
平地は肥満体の質量をあまり考えなくても良い区間と言えます。普段の生活から知らずに自重トレーニングを行なっている肥満チャリダーなら、ロングライドイベントで周りをリードするスピードを出すことはそれほど難しく無いはずです。ただし知らない間に脚を消耗してしまう区間でもあるので、サイコンに気を配り登り勾配1〜2%の時には踏みすぎないようにしましょう。
肥満体型で周りをごぼう抜きにしてマウントを取るのは、登りの悔しさを晴らすのにうってつけなのですが確実に脚を消耗するのでやりすぎは禁物です。
肥満体型は登り・下り・平地で大きくスピードが変わりますので、スピードを一定にするのではなく出力を一定にするように心がけましょう。パワー計があれば視覚化できますが、太腿を使っていると感じない程度のペダリングを維持すれば充分だと思います。
こちらの記事で肥満体型のエネルギーマネジメント的なことを書いています。パワーメーターに興味がない方も是非参考にしてください。
水分補給とミネラル補給
肥満体型のロングライドは、失っていく水分とミネラルとの戦いでもあります。
ミネラルの補給をしっかりして、痙攣をおこさないようにしましょう。→【ロードバイク】サイクリングによる痙攣、こむら返りの解決方法
喉の渇きを感じたときはすでに脱水症状の始まりですので、こまめな水分補給を心がけましょう。→【ロードバイクの水分補給】デブがサイクリング中に脱水症状にならないために準備しておくべき事とは
雨が降ったら
雨の日のサイクリングはできれば避けたいものです。晴れの日に比べてさまざまなリスクが増します。雨を避ける乗車姿勢を取るため視線が下になりやすく、マンホールやキャッツアイを見落としがちになります。
肥満体型で転倒すると機材や身体に深刻なダメーシを受ける恐れがあるので視線を落とさないよう走行しましょう。また道路の異物を引きつけるためにパンクしやすくなります。
雨のサイクリングは肥満体にとって悪いことばかりではありません。デブがパフォーマンスを落とさずに運動するために一番重要な放熱の面で有利になるからです。ただし脂肪を冷やしてしまうとサイクリング中に常温に戻すことは不可能になりますので冷え過ぎには注意しましょう。
まとめ
とある大会のゴール後の写真です。第10回の記念大会で特別にセンチュリーコース(160km)が設定された年のもので、8:00スタートでした。雨のおかげでオーバーヒートにもならず帰ってきました。肥満体型でもロングライド充分楽しめます。
自転車は肥満体型にとって、とても優しい運動です。無理をして痩せようと思わず、走った後は飲んで食べて反省してまた次も走りましょう。
ロングライドを続けることで内臓脂肪は確実に減らすことができます→【絶対痩せる】デブがロードバイクダイエットに適した心拍数で脂肪燃焼するのは不可能なのか