アルコールストーブも形状によりいろいろな燃え方をします。アルコールストーブのつくりは単純なのでほとんど差がないように思われますが、穴の加工だけでも燃焼状態に大きな差があることがわかります。
燃焼状態が悪いと、炊飯などですと炊き上がりに影響してきます。
趣味でコレクションしているアルコールストーブを燃焼実験してみました。気になるストーブがあれば幸いです。
開封、外観はこちらをお読みください。
手元にあるアルコールストーブ燃焼レビュー
家にあるアルコールストーブを燃焼させていきます。燃料はすべて、燃料用アルコールを使用しています。
まったく同じ環境にすることはできないので、水を沸かすタイムなどは測りません。あくまで炎の形、プレヒートの雰囲気などをみていきます。
アルコールストーブが燃焼する仕組み
アルコールストーブがどうやって燃焼するのかおさらいです。
仕組みはかんたんで、燃料の燃料用アルコールを燃やして、その熱を利用しアルコールを気化させ、さらに大きな炎にするというものです。
①液体のアルコールに火をつける
②アルコールストーブ温度上昇によって、アルコールが気化して圧力が上昇する
③ストーブ本体の穴から気化したアルコールが噴出してくる
④気化したアルコールに炎が引火し着火する
↑--ここまでがプレヒート--↑
⑤ 火力が安定する
一度点火したアルコールストーブは、燃料がなくなるか、酸素を遮断して消火するまで、②から⑤の繰り返しをおこなっています。
非加圧式アルコールストーブ
通常に販売しているストーブは作りのかんたんな非加圧式ストーブが主流です。
RSR(RiverSideRambler)ストーブ
ガレージブランド「RiverSideRambler」から発売されているRSRストーブです。
プレヒートの時間が短く、あっという間に炎の形が整ってきました。
プレヒートの時間が短いということは、燃料を本燃焼に回すことができるので燃費の点では有利です。
本燃焼に移ると炎が渦巻き型で上がります。トルネード燃焼は見ていてとても楽しいです。
トルネード燃焼を行うためにはX軸、Z軸の両軸ごとにある一定の角度をつけた燃料噴射口から直進性を持たせ気化燃料を噴射させる必要があります。
よって、噴射口の背後には一定の長さの管状の銃身部分が必要です。
つまり、薄板をプレス加工した構造のストーブでは基本的にトルネード燃焼にならないということです。
そこでRSRではアルミ合金を切削加工することで燃料噴射口に厚みを持たせ一定の角度をつけた燃料噴射を行いトルネード燃焼を可能としています。
RiverSideRambler ホームページより
実際に火をつけてみると、燃焼効率は良いように感じます。
RSRのホームページにはTOAKS Siphon Stoveやトランギアよりも燃焼効率がよいと実験結果がでていますが、あきらかにその二つより炎が整っているため熱をロスなく伝えられそうです。
Yahoo!ショッピングでの取り扱いのみとなり、よく品切れをおこしています。
いつまでも見ていられそうなきれいな炎は、キャンプで食後に囲むなど雰囲気づくりに一役買いそうです。
TOAKS チタニウム アルコールストーブ
TOAKSはのアルコールストーブも燃焼させてみました。見るからに雑な作りで心配でしたが、やっぱりという感じでした。
プレーヒートだと思って待っていました。穴からはすでに気化したアルコールが噴出してきています。
この状態が続き、本燃焼ぽくなる前にアルコールが尽きてしまいました。
穴が不揃いなところがそのまま燃焼の炎となってあらわれました。炎が明らかに横に向いて噴出しています。しかも炎が上がらない穴すらありました。
これでは燃焼効率は望めません。
ピンバイスとドリルで穴を揃えることも考えましたが、チタン製ということがあだになり無駄に硬いので、とりあえず保留にしています。
チタン製でアルコールストーブ最軽量クラスですが、値段のわりにガッカリ品質です。
とにかく軽さ重視の方向けでしょうか。
ファーストレビューで書きましたが、消させていただきます。
チャレンジャーの方どうぞ!
trangia(トランギア) アルコールバーナー
大本命のトランギアのアルコールストーブです。50年以上ほぼ仕様変更無しの実力はどんなものか試してみました。
プレヒートと本燃焼がよくわからない感じでした。本燃焼にしては炎が黄色いところが気になります。
しばらく待ちましたが、さらに炎が黄色くなりました。消毒用アルコールを燃やしたときは炎がオレンジになりましたが、燃料用アルコールでここまで黄色くなったのは初めてです。
中華コピー品を除けば最安値クラスのためしょうがないのかもです。炎の大きさ形は申し分ないので、炎の質さえクリアすればもっと活躍できるのですが。
燃料を変えてみて、しばらく様子を見みてみます...エイジングも足りないのかもしれません。
エバニュー(EVERNEW) チタンアルコールストーブ
エバニュー(EVERNEW)のチタンアルコールストーブです。ネットにも数多くレビュー記事があがっており、人気の高さがうかがえます。
プレヒート中にポッポッと穴から炎が立ち上がってきて、楽しいです。
アルコールストーブは炎が生きているみたいで、ガスなどと違いぼんやり眺めていられそうです。
本燃焼に入ると炎が大きく立ち上がり、RSR、TOAKS、トランギアの中ではいちばんの迫力でした。
底にはコルクの鍋敷きをひいていますが、部屋の中でつけると少し焦るくらいの炎です。
アルコールストーブが赤く焼きが入っているのがわかるでしょうか?
このアルコールストーブは焼きが入ったところが青へと色が変わってきます。チタン特有のカッコいい青色に変化していきます。
水を沸かしてコーヒーやカップ麺など火力調整を必要としない単純な調理なら、このアルコールストーブがいちばん使いやすいです。
まとめ
アルコールストーブを燃焼させてみるとそれぞれ個性があって楽しいです。
鑑賞にたえれる炎でないと、実用にも向かないことがよくわかりました。
コレクションが増えたら追加していきます。