年賀状は別名「年賀特別郵便」といいます。元旦に一番早い配達便で配達される郵便で年賀はがきなどでおなじみです。封筒のものをゆうメールとして出すと少しおトクな気がしますが、ゆうメールに「年賀」と表記すれば、年賀状として扱ってもらえるのでしょうか?
個人の方は年賀はがきが62円(2019年)で封筒より安価に送ることができるので、わざわざ封筒にして年賀状を出すことはないと思います。
ただし、事業主の方でダイレクトメール(DM)を年賀状で送って正月の初売りセールなど、集客に利用したい場合は注意が必要です。
個人ならば、不注意ですむ話ですが、法人ですとそうはいきません。会社の信用をさげてしまわないために、初売りセールのDMと年賀特別郵便について、かんたんに紹介します。
年賀状【年賀特別郵便】とは
年賀特別郵便の定義
日本郵便株式会社の内国郵便約款を探してみます。
第146条 当社は、郵便物を12月15日から12月28日までの間に引き受け(引受開始日については、1週間を限度として繰り下げることがあります。)、
料金別納又は料金後納とするものの場合を除きこれに翌年1月1日付けの通信日付印を押印し、翌年1月1日の最先便からこれを配達する年賀特別郵便の取扱いをします。
ただし、通信日付印の押印は、その郵便物が料額印面の付いた郵便葉書であるときは、これを省略することがあります。
日本郵便株式会社 内国郵便約款
実施 平成24年10月1日
最近改正 平成30年10月9日 より
第146条に年賀状のことが書いてあります。難しく書いてありますが、かんたんに言うと。
12月15日から12月28日に引き受けた年賀状は1月1日の消印をして、1月1日の一番早い配達で配りますよ。
官製の年賀はがきには消印しませんよ。
ということです。
つまり期間内に出された年賀状は、元旦に配達になります。
年賀特別郵便にできないもの
2 年賀特別郵便の取扱いは、次に掲げる郵便物につき、これをします。
(1) 第一種郵便物(郵便書簡及び料金表に規定する定形郵便物に限ります。)
(2) 通常葉書
(3) 点字郵便物(料金表に定める定形郵便物の大きさ、形状及び重量に準ずるものに限ります。)
3 年賀特別郵便とする郵便物(以下「年賀特別郵便物」といいます。)は、これを他の特殊取扱とすることができません。
日本郵便株式会社 内国郵便約款
実施 平成24年10月1日
最近改正 平成30年10月9日 より
2項3項には、年賀状として発送できるものが書かれています。これに該当しない郵便物、荷物は年賀特別郵便として発送することができません。
第一種郵便物のみですのでゆうメールは対象外です
角2封筒など定形外の大きさは年賀特別郵便にはなりません
速達や書留などのオプションをつけることはできません
初売りセールに影響がありそうな、項目がでてきました。
ダメ法人と思われないように、ポイントを抑えておきましょう。
1月1日に集客用のDMを届けるには
元旦から気持ちよく初売りをしたい。そんな事業主や発送担当の方へ3つの方法を紹介します。
ケース1 配達日指定のオプションをつける
郵便には配達日指定のオプションがあります。休日は1通あたり+210円で配達日指定をつけることができます。
つまり、郵便料金+210円×発送枚数で元旦配達をしてもらえます。
マンションなどの高額な初売りでないと、とても元が取れませんね。
特別料金のゆうメールを契約されている方は特別料金のゆうメールにこのオプションは付けられませんので注意してください。
あくまで普通郵便の料金にプラスです。
ケース2 チラシを折りたたんで定形サイズにする
チラシがA4サイズで枚数も少ないのならば(50g以内)、折りたたんで定形サイズの年賀状にして発送する方法があります。
定形郵便物の料金になりますので、82円もしくは92円×発送枚数で元旦配達をしてもらえます。
デメリットは、折りたたむ手間とチラシとしてのインパクトに欠ける点でしょうか。
ケース3 元日配達になりそうな日を逆算して発送する
いちばん現実的な方法になります。この方法ならば特別運賃を契約している事業主の方も、いつもの運賃を利用することができます。
絶対安心とはいえませんが、12月30日もしくは31日に郵便局にDMを持っていきましょう。
30日に発送→ 31日に配達の可能性あり
31日に発送→ 元旦に配達されないと3日以降の配達になる可能性あり
配達の時期については、早い時期から郵便局員の方に相談するのが確実です。できる限り親身に相談に乗ってもらえるはずです。
ただし郵便局員の方も普通郵便やゆうメールの年末年始配達について確実な答えは出せないと思いますので、言葉尻をとらえたり、凄んだりオラつくのはやめましょう。
万がいちにも12月の配達になってもいいように、正月をにおわせながら正月の挨拶を入れないチラシ作りをしておくとよいでしょう。
初売りの開始日にもよりますが、配達される日を郵便局で確認しながら発送の準備を整えておくことが肝心です。
絶対に年賀特別郵便の対象にならない物に【年賀】と朱記するのはやめましょう
常識を疑われます
まとめ
今回は少し違う角度からお金に関することを紹介してみました。
TwitterやFacebookで見当違いな、クレームを書いている法人の方をみかけます。中小の方に多いイメージです。
周りは賛同してくれますので、気づかないかもしれませんが裸の王様になっていませんか?
そのような残念なことがないように、御社の評判が悪くならないように、かんたんに紹介してみました。