Amazonで販売されている3万円台のロードバイクは購入して大丈夫なの?よく質問を受けることがあります。
誰でも、ママチャリではないスポーツ自転車に憧れたことはあると思います。
オシャレに展示された自転車、街中を気持ちよさそうに駆け抜ける自転車、いいですよね。
しかし、通常のロードバイクはエントリーモデルでも、10万円台からの価格となっています。
ロードバイクの価格を聞くと、知らない方はビックリします。そんな高価な自転車をそうそう買えるものではありません。
Amazonのロードバイクは大丈夫なの?疑問に思うのはごくごく自然な流れです。
私は、所有する自転車のコンポーネントは一部のクランクを除いて、すべてデュラエース (DURA-ACE) を使用しています→シマノパワーメーター内蔵クランクFC-R9100-Pと肥満サイクリスト
デュラエース (DURA-ACE)のコンポーネント価格
(パワーメーター付はそれぞれ∔10万)
・Di2(R9150)約37万
・機械式(R9100)約23万
お金がたくさんあるわけではありません。爪に火を点すギリギリでデュラエース (DURA-ACE) を選択しています。それには理由があります。
自転車は、鍛えて楽に走るか、お金をかけて楽に走るか、の2択だからです。(後述します)
そんな私ですが、Amazonの格安ロードバイクを真剣に購入するつもりで考察してみました。
大手サイトのように、ロードバイクを知らないライターが執筆した「オススメ格安ロードバイク○○選!」といった無責任に格安ロードバイクを勧めることはしません。
Amazonの格安ロードバイクが安い理由
Amazonの格安ロードバイクの中から個人的にカッコよく見えた3万円台のロードバイクを貼っておきます。
Amazonのリンクから格安ロードバイクのスペックを見ておいてもらえれば、この記事にこれから書いていく内容がわかりやすくなります。
スチール製でママチャリと同じ素材を使われているものが多い中、このロードバイクはクロームモリブデン鋼が使われているようです。
Amazonの格安ロードバイクに使われているコンポーネントはクラリス(Claris)やターニー(Tourney)が使われています。
3万円台の格安ロードバイクならばほぼ間違いなくターニー(Tourney)が使われているでしょう。
シマノのコンポーネントは高価な順に
・デュラエース(11速)
・アルテグラ(11速)
・105(11速)
・ディアグラ(10速)
・ソラ(9速)
・クラリス(8速)
・ターニー(7速)
のラインナップです
105を選択するだけで20万クラスのロードバイクになりますので、気にしないようにしてください。
格安ロードバイクに使用されている、ターニー(Tourney)はコンポ単体のフルセットでも2万円程度の価格で購入することができます。
ターニー(Tourney)はロードバイクのコンポーネントとして、使いづらい点、カスタマイズできない点などオススメできないところが当然のようにあります。
しかし、3万円台のロードバイクですから、ターニー(Tourney)以外の選択肢はありません。
ターニーの変速段数はフロント×2リア×7で14速になります
Amazonの格安ロードバイクのコンポ
では、ターニー(Tourney)ではダメなのでしょうか?
これは使用目的によって変わってきます。
通勤通学目的で、盗難の恐れのある高級コンポーネントは使いたくないといったときには最適なコンポーネントとして使うことができます。
ターニー(Tourney)はリアディレイラーでも1500円程度です。デュラエース (DURA-ACE) のリアディレイラー5万円と比べると盗難のリスクは段違いです。
ロードバイクでいちばん重要な走行性能はどうでしょうか?もちろんシマノのスポーツ自転車コンポーネントの中ではいちばん劣ります。
Amazonの格安ロードバイクを購入したいと思っている方はおそらく街中を颯爽と駆け抜けるイメージで購入したいと思っているのではないでしょうか?そして週末にサイクリングをすることもあるでしょう。
自転車のパーツは高価になればなるほど、走行中の抵抗が少なくなっていきます。高価だから速くなるというのは、走行中の抵抗が減ることによって結果的に速くなるということです。
車を速くカスタマイズしようとしたら、エンジンのパワーアップを思い浮かべます。自転車のエンジンは乗る人間そのものですので、エンジン(自分の体力)に自信があればターニー(Tourney)で全然かまわないということになります。
これで、私がデュラエース (DURA-ACE) を使用している理由かおわかりいただけたかと思います。100kgのデブがロングライドを健常者と一緒に楽しむには機材でリードしておかなければならないのです。
街中の走行と、週末サイクリング用途、もしくは運動能力が高く体力があればAmazonの格安ロードバイクで全く問題ないということです。
よく「105以上にしておけば安心」というアドバイスがありますが、これは完成車に組み込まれているコンポーネントで105が性能と価格のバランスが良いからです。
105以上のコンポーネントは機材オタク、それ以下のコンポーネントはナルシスト入った肉体オタクといったところでしょうか・・・
Amazonの格安ロードバイク購入時のポイント
Amazonで売られている激安ロードバイクは、詐欺でもなんでもなく価格なりの商品ということです。
ロードバイク初心者(きつく言えば無知)にアピールして、購買意欲をそそるような言い回しになっています。
ディープリムのホイールを履かせて、いかにもロードバイクといったカタチにしているのも最近の特徴でもあります。
「60mmのディープリムを装備、ひとたびスピードに乗ってしまえば速度維持が簡単にできる」と商品説明にあるようにいかにも爽快に走れそうな謳い文句ですが、ようは加速にパワーを使う、マリオカートでいうなら「クッパ」ですからご注意を。
ターニー(Tourney)
ターニー(Tourney)について、注意点を書いておきます。このターニー(Tourney)の仕様が気に入らなければ3万円台のロードバイク購入は実質不可能です。
クラリス(Claris)で5万円台、ソラ(SORA)で約10万円が必要になります
リアディレーラーは7速で、対応するスプロケットが1種類(11T-28T)しかありません。
クラリス以上のスプロケットは最大32T(デュラエース30T)まで対応しており、より軽いギアで坂道を登ることができます。
「28Tのスプロケットでは初心者の方は坂道は厳しいでしょう」というインターネット記事も見かけますが、少し前までは25Tがマストだったことを考えると28Tは問題ないと言えます。
問題は7速しかないことによる、中間ギアの不足です。
クラリスは32Tまで対応していますが、7速のターニーと同様に中間ギアが足りません。
平地走行中のギアチェンジで、大きくギア比が変わることはあまり好ましくありません。
スピードがほとんど変わらない状態でギア比が大きく変わると、「ギアチェンジすると突然メチャクチャペダルが軽くなる(重くなる)現象」が起きます。
これは地味に脚にダメージを与えますので、気をつけるポイントになります。
ここだけはクラリスもターニーも変わりありません。(ただしクラリスは、違うギアを組み合わせたスプロケットに交換可能です)
乙女ギアともいわれる軽いギア、32Tが使いたいのならば11速の105以上を選択するようにしましょう。使えるギアが多いほどスピードに合わせて適切なギアを使うことができ脚の疲労防止になります。
ターニーが問題なのは、フロント50T-34T、リア11T-28Tしかギアが無く7速のコンポーネントもターニーしかないためギア比の変更ができないということです。(他グレードとミックスもできない)
もう一つのターニーの問題点はSTIレバーの使い方が他のグレードと違っていて、スムーズな操作が難しいということです。
ロードバイクのサイズ
ロードバイクを購入するときにいちばん重要なのはサイズです。
一般的なロードバイクの形はこのようになるはずです。ハンドルよりもサドル位置の方が高いのがお分かりになるでしょうか?
Amazonのコメント欄で唖然としたのが、「163㎝~適用身長ですが、サドルがまだ低くできるのでそれより身長が低い人でも対応できそうです。」という書き込みでした。
ママチャリのサドルの高さ調整と勘違いしているのでしょうか?
そんなことしたらロードバイクの硬いサドルでお尻壊れますよ・・・といいたいところですが、どこの誰かわからないので言えません・・・
関連記事:【お尻痛い】デブでもお尻が痛くならないサドル選び、ロードバイク全体で考えたい3つのこと
Amazonの格安ロードバイクのサイズを見て回りましたが、480mm~510mmが多いようです。それも、各自転車にワンサイズしか設定がありません。
私は、174.5cmの身長で520mmサイズを購入しています。最初の一台だけ540mmサイズにしましたがすこし大きかったようです。
つまり。Amazonの格安ロードバイクは身長160㎝~175㎝までの人が対象ということになります。
絶対にサドルの高さだけで調整しないでください。ロードバイクがメチャクチャカッコ悪くなります。
まとめ
Amazonの格安ロードバイクはいままで気にしたことが無かったのですが、サイズさえ合っていれば使えるのではないかといった印象です。
もし3万円台のロードバイクが楽しくてサイクリングにハマったら、コンポーネントだけグレードアップして、羊の皮を被った狼仕様もいいですね。
*注意*
Amazonの格安ロードバイクは半完成状態で届きます。
変速調整、ブレーキ調整の自信が無ければ自転車屋さんに数千円で調整してもらうことになります。(初心者は自分でやらない方が良いでしょう)