スキーブーツでスノーボードをゼロから始めたらどうなるのか?
私はもともとスキーを楽しんでいましたので、スキー用ブーツしか所有していなく、スノーボードを滑ったこともありませんでした。
同じブーツでスキーとスノーボードが両方使えれば、板を2枚持ち込むことでゲレンデでの楽しみが増えるのではないかと思い、スキーブーツでスノーボードを始めることを決めました。
そんな動機ではじめたスノーボードライフの変遷を記事にしたいと思います。
いまから始められる方が無駄な出費をしないように。
スキーブーツとスノーボード
スキーブーツでスノーボードができるのか?
結論から言うと滑ることは可能ですが、あまりオススメするものではありません。
それでも、当時は凄く良いこと閃いたつもりでいました。そんな特異なことを周りに相談できるわけもなく、独学でスキーブーツを使用する方法を模索していきました。
ブーツを履き替えることなく、ゲレンデを滑りたかった
肥満体型でしゃがむと体力を使うので、
スノーボードで一般的なラチェット式を使いたくなかった
私が標準準的な体型をしていれば、迷うことなくソフトブーツを使っていたと思います。スキーブーツでスノーボードをまったくの初心者から始めるという、とてつもない遠回りをすることもなかったでしょう。
ベイル式ビンディング購入
スキーブーツをスノーボードに取り付けるために、まずベイル式ビンディングを購入します。たいていのスキーブーツはベイル式のビンディングに取り付け可能です。
通販で、現物も見ずに購入した f2 CARVE RS です。スノーボードショップとの付き合いもなかった当時は、考えたことを即行動にうつしていました。
ショップの在庫品で、送料を払えばタダでもらえるというボードをビンディング購入と同時にいただきました。
もらったボードは、ウエスト幅の広い柔らかめのアルペンボードで、まったくの初心者が練習を開始するのにぴったりでした。
そうして、スノーボードなどやったことのない初心者がスキーブーツと型落ちのアルペンボードをもってゲレンデに行くことになりました。
スノーボードで初めてのゲレンデ
まったく滑ったことのない初心者が、ひとりでスノーボードに行くとどうなるのか。
ハッキリ言って周りの迷惑になりますのでオススメできません。たとえ上手な仲間と行くことになったとしても、半日でよいのでスクールに入るべきです。
しかし私は、スキーを始めたときも一人で何とかなったので、スノーボードも何とかなると思っていました。
斜度にして7~8度ほどの初心者コースに行って練習することにしました。リフトはDVDをみて予習していたので、何とかリフトを止めることなく降りることができました。
スキーならば絶対に来ることのない、初心者コースですが、スノーボードを履いて眺めたその景色は全く別物の急坂に見えました。
サイドスリップの概念を知らなかった私は、とりあえずジャンプして板をフォールラインに向けました。
あとは、板をコントロールすることもできずに、スピードが上がるとバランスを崩し転倒するというお約束をくりかえすことになります。
スピードの上昇とともに身体が後ろに置いて行かれ
重心が後ろに行って転倒していました
重心が後ろに移ることで
ボードの前側に加重することができなくなり
ボードの向きを変えることもできませんでした
初心者でターンができない理由のコンボを達成しています。
当時はなぜ板の向きが変わらないのか理解できず、その日はスキー板に履き替えて同じところを滑って考えるということを繰り返していました。
つま先とかかとへ加重を繰り返してターンをするというスノーボードの基本をしらないまま、身体の向きだけで板の方向を換えようとしていました。
サイドスリップを学習
それからしばらく、サイドスリップをしらないままの状態でターンの練習をしていましたが、あまりの上達の遅さに嫌気がさしてきていました。
ビールを飲みながらゲレンデを眺めていると、横向きのままズルズル降りてきている人に気づきました。
厳密には見たことはあったのでしょうが、全然気にしていませんでした。
すぐにサイドスリップの練習を開始しました。ボードの中心に乗ることができていませんでしたので、どちらかの足が必ず先に落ちていきます。
まっすぐ落ちていくために重心の移動を自然に行っていました。これまでたくさん転倒していたためサイドスリップのスピードは、コントロールをしているという安心感があり余裕をもってコントロールすることができました。
その日は、
・フロントサイドスリップ
・フロント木の葉滑り
・リアサイドスリップ
・リア木の葉滑り
・斜滑降
まで行うことができ、ゲレンデ内ならばどこにでも移動できるようになりました。
ソフトブーツのようなバターを塗るように
きれいなラインにはなりません
ガタガタのラインです
スクールで基本を学ぶ
サイトスリップができるようになると、ターンの練習をしたいという気持ちが大きくなりました。
ゲレンデのスクールに申し込みをしました。
しかし、当時アルペンスノーボードは上級者がストイックにやるイメージでして、スクールの受付で
見た目で、断られてしまいました。
けげんな顔をされましたが、頼みこみ続けると
と念をおされて、スクールに入れてもらうことができました。
スクールにはいると、レベルに応じてアドバイスがもらえますので上達を早めることができます。
スクールで習ったことは、
・ボードの中心に乗ること
・つま先かかとに加重するために膝を使うこと
このふたつです。
ターンをつなげることはできませんが
ひとつのターンを完結させることができるようになりました
ズボンの膝が擦り切れるまでがんばらなくても、最初からスクールにはいればよかったと反省しています。
雪の上でも転倒を続けるとズボンが擦り切れます
そして、肥満体型+初心者が慣れない運動を続けることで、大量の発汗をうながし運動後に体温の低下を招いてしまいました。
コンディションを考える必要がでてきたのもこの頃からです。
スキーブーツでスノーボードに乗ることの限界
ターンができることが嬉しくて、雪を求めて北海道に遠征したりていましたが、上達は頭打ちになっていました。
どうしても、連続ターンをつなげることができないのです。ターン弧の大きさがそろわないのも不満でした。
このころは、スキーの板とスノーボードの板をゲレンデに持っていって使い分けるといった初期の予定はすっかり忘れて、スノーボードのみに没頭していました。
最初にベイル式のビンディングを購入したショップに、型落ちでHEADのアルペンスノーボード用のブーツがあるのを見つけました。
気になったら試さないと気がすまない性分なので、ステップインのINTECと同時にHEADのブーツSTRATOS PRO を購入しました。
↓リンク先は現在のブーツupzですが、INTECについて書いています。
HEADのブーツを履いて驚いたのは、足首の可動域がスキーブーツとぜんぜん違うということです。
スキーブーツの方が、前傾姿勢で固定されています。これはターンが左右対称のスキーならば合理的ですが、フロントサイドとバックサイドでターンの導入へのプロセスが違うスノーボードでは、特にバックサイドの切り替えがうまくいきません。
スキーブーツは、滑りやすいように体勢をつくってくれる。
スノーボードハードブーツは、体勢をつくった後のサポートをしてくれる。
上記は個人的な感想ですが、スキー用とスノーボード用はまったく別物と考えたほうがよいでしょう。
そして、HEADのハードブーツに替えてからは、それまでの苦労がうそのように連続ターンができるようになりました。
スノーボードのスタイルに合わせたブーツ選び
しばらくアルペンボードとハードブーツでカービングの切れを追い求めていましたが、パウダーで遊びたい時にアルペンボードは難しい面がありソフトブーツも購入しました。
はじめてソフトブーツを履いたときは、足裏の感覚がよくわかりボード幅が何倍にも太くなったように感じました。
かんたんに言うとこける気がしないということです。
ただし、勝手にカービングになるハードブーツと違い、カービングを持続するには足首の固定を意識する必要がありました。
道具をひとつて済ませようとするのでなく、適材適所で使い分けるのがスノーボードの上達を早め、楽しめるコツです。
まとめ
スキーのブーツでスノーボードに乗れるのかというテーマでしたが、はじめて乗るのなら3点セットなどのお買い得品でよいので初心者向きのソフトブーツと道具にしたほうがよいでしょう。
極端な製品は上達の妨げになります。オールマイティな3点セットを使い込んだときに次に買うべき道具が見えてきます。