自転車とアウトドア(キャンプ)はとても相性が良い趣味になります。
食べることが大好きな肥満サイクリストはもちろんのこと、健常者の方でもサイクリングしたときに自分でお湯を沸かして飲むコーヒーやお腹をすかせて食べるカップラーメンはとても美味しいものです。
近所のサイクリングから、テント泊をともなうサイクリングまでシチュエーションはさまざまですが、使えそうなストーブを燃料別にまとめてみました。
結論から申し上げますと、国内に限ればガスストーブが気軽に使えて一択に近いところですが、燃料の使用量を計算することで他のストーブにも出番がありそうです。
アウトドアで使用する火器のことをストーブと呼びますので、この記事ではストーブで統一します。
自転車キャンプとガスストーブ
ガスストーブは自転車旅行に一番メジャーで向いているストーブといえます。
アウトドアで一般的に選ばれている理由は、火力調整が容易でストーブ本体の種類の豊富さと燃料の持ち運びのしやすさ、ストーブに求められる要素全てにおいて優秀なためです。
キャンプ用品店などで入手できるOD缶と一般家庭でカセットコンロに使用されているCB缶があり、ガスカートリッジの違いによってガスストーブを使い分ける必要があります。
自転車キャンプとCB缶
通常のカセットコンロのガスのことを、キャンプ用品店で購入できるOD缶に対してCB缶といいます。
このタイプならコンビニでもガスを購入できるので、ガスの入手しやすさを重視するのならばCB缶のストーブを選択すると良いでしょう。
ただし、OD缶対応のストーブに比べてストーブ自体が大きく重くなります。
イワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB は比較的安価に購入でき、カセットコンロと同じように使用することができます。
本体の重量は274gと少し重めですが、最初に購入するガスストーブとして断然オススメできます。
自転車キャンプとOD缶
OD缶のメリットはストーブ本体の重量が軽くなることです。
ガスの入手もそこそこといったところで、コンビニやスーパーにはありませんが、少し大きめのホームセンターにはキャンプ用品コーナーに置いてあります。
プロパンガスを使用しているためにCB缶に比べて火力が安定するメリットもあります。
snow peak ギガパワーストーブ“地” GS-100R は重量75gと軽量な部類に入ります。
2倍の値段を出せばあと20g軽量化できますので、余裕がある方はそちらを選択するのも良いでしょう。
自転車キャンプに適したガスストーブ
「本格的な料理はしないからとにかく軽量なものを」基本的にはこの考え方でよいのですが注意点もあります。
軽量化を重視したストーブは中心に火力が集中するため、注意して使用しないとコッヘル(特にアルミ製)を痛めてしまいます。
バーナーバットを使用して火力の分散をすることで回避可能です。
ロードバイクの世界では軽さは正義ですが、のんびりした旅行を楽しみたい場合などは、作りたい料理に合わせてストーブを比べてみましょう。
焼き物をして一杯飲みたいときなど、しっかりと安定した状態で料理をしたい場合は、五徳のしっかりしたガスストーブを選択したほうが快適です。
前述のイワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB は重さを気にしなければかなりバランスの取れたストーブです。
自転車キャンプとアルコールストーブ
アルコールストーブ本体は軽量なものが多く、チタン製の物ならば30g前後からあります。
燃料となるアルコールを使用する量だけ準備すれば、使用しない燃料まで持ち歩く必要もありません。
燃料の管理もガソリンほどではないにしろ、ガスや固形燃料に比べると気を遣う必要があります。
ということで、基本的には自転車旅行にはオススメできないのですが、アルコールストーブには他のストーブにはない味があります。
炎を見ながら、お湯を沸かしてコーヒーを愉しむ(タノシム)など明確な目的があればアリかもしれません。
アルコールストーブのメリットは趣味性の高い道具としての味のみです。使いこなすことに喜びを見いだすことができる人には最高のストーブとなるでしょう。
ちなみに風に弱いので、風防必須です。
自転車キャンプと固形燃料(エスビット)タイプ
固形燃料タイプの一番のメリットは、安価にストーブを購入できるところです。
Esbit(エスビット) のコピー品などは数百円で購入することができます。
燃料の入手も100均などで購入できますし、Amazonで何かのついでに購入しておくこともできます。
この炎でできることは、お湯を沸かすこととメスティンでご飯を炊くことくらいに限られてきます。
ちょうど固形燃料ひとつで、メスティンでほったらかしに炊飯をすることができます。
関連記事:【メスティン】具材を入れるだけのシンプルな炊き込みご飯!旨いものも微妙なものもすべてのまとめ
ご飯をかんたんに炊くという、この1点だけはどの燃料のストーブよりも優れていると言えます。
料理が複雑な場合、他のストーブのサブとして準備するのはアリかもしれませんが、自転車旅行にはその重量と荷物増を許容できるのか微妙なところです。(燃料込みで200g増)
Esbit(エスビット) チタニュームストーブはより軽量化(標準85gに対して17g)が可能ですが風防の効果がほとんどありませんので使いどころを考える必要があります。
固形燃料ストーブは火力調整が難しく、燃料を使い切る必要があることから、お湯が沸かせれば充分といったシチュエーションには有力な選択肢になります。
アルコールと固形燃料両方を使うことができるストーブもあります。どちらも購入されていない方は一考の余地があるでしょう。
関連記事:【バーゴ】アルコールと固形燃料が使える!VARGO トライアドマルチフューエルストーブ T-305
自転車キャンプとガソリンストーブ
まだ若かりし頃、オートバイでツーリングにハマっていた時に購入したのがコールマンのガソリンストーブでした。
ストーブ用のガソリンにはホワイトガソリンを使用するのが一般的ですが、普通のレギュラーガソリンを使用できるストーブもあります。
しかしストーブ本体がとても重く、寒冷地でも安定した火力が期待できるというメリットだけではなかなか選択の理由にはなりません。
弱火にすると火力が安定しなくなるデメリットもあり、どのようなシチュエーションでも使用する場面はないという結論に達して、友人にドナドナされていきました。
OD缶とガソリンのハイブリッドストーブもありますが、自転車旅行に適しているかといえば不要と言わざるを得ないでしょう。
自転車キャンプとストーブ まとめ
自転車旅行では登山ほどではありませんが、できるだけ荷物は軽量にしておきたいものです。
また燃料もガス、ガソリン、アルコール、固形燃料とあり、どれがベストか目的や状況で変わってきます。
①燃料の入手、管理の容易さ(液体は難易度高)
②作りたい料理の難易度(火力調整)
③ストーブの重量(軽くなるほど何かが犠牲になる)